肥育初期の牛 美味しい霜降り和牛を作るプロの技
牛の導入が終わり、初期、といわれる段階に入ってゆきます。
この初期の段階が重要で、ここでどのような餌を食わせてゆくかで、この後の仕上がりが違ってきます。
和牛ですと、短くて28カ月、つまりは導入してから18カ月は肥育することになります。
その間、事故があまり起きないように、この前期といわれる段階で牛を作っていかなくてはいけません。
この辺りから、牛を作るという視点になってきます。牛を見てはいるのですが、肉を見ている視点になってきます。
前期の牛の作り方 10カ月~15カ月
ビタミンをためる 美味しい霜降り和牛を作るプロの技
肥育牛の場合、中期ぐらいからビタミンAを抜きます。
これは、ビタミンAが脂肪を分解しサシが入らなくなるのを防ぐためです。
さて、しかし、ここで問題が発生します。
ビタミンAは粘膜、皮膚の通夜、毛のつやなど、牛が育つうえで重要な役割を持っています。
粘膜がうまく作れなくなると、雑菌を粘膜でとることができず、感染症になりやすくなります。
また、目の表面も粘膜でおおわれていますので、目の炎症なども起きてきます。
ビタミンを切れば、上位のような問題が発生します。でも切らなければサシは入らない。
では、どうするか。
答えは、前期の段階でビタミンの入った餌を与え、中期に入った時にビタミンを切ります。
そのようにすることで、牛の中に蓄積されたがビタミンが使用されるようになります。
肥育前期に作るもの 美味しい霜降り和牛を作るプロの技
肥育の前期は筋肉、骨、胃を作っていかなくてはいけません。
筋肉は当然のこととして、骨を作ってゆくことも大切です。
牛は肥育することによって、体重が大幅に増えます。
後期になれば、自重に耐えられず、足などを故障してしまいます。
そのためにも、骨をしっかり作ってあげる必要があります。
胃を作る 美味しい霜降り和牛を作るプロの技
この前期という段階で、胃を作るというのはとても大切な要素になってきます。
牛の肥育では、大量に餌を食い込ませ、脂を付けてゆくわけです。
ですので、ここでしっかり粗飼料を食い込ませ、胃の内壁を丈夫にし、大きくしてあげないと、中期、後期で食い込めなくなってしまいます。
食い込めなければ、サシ、霜降りが入らなくなってしまうため、とても大切な工程です。
餌 美味しい霜降り和牛を作るプロの技
この時期は、筋肉、骨、胃を作り、ビタミンも蓄積させる必要があります。
そのため、前期用の配合飼料と、粗飼料は、チモシーをメインに与えていきます。
チモシーは乾燥青草です。
またヘイキューブなどもよく用いられる餌です。ビタミンが豊富で、使いやすい餌として重宝されています。
まとめ
肥育では、中期が重要視されますが、この前期段階がとても需要です。
ここをしっかりやらないと、中期以降が全然うまくいきませんし、最悪牛を死なせてしまいます。
ただ餌を与えるだけではなく、そこには技が、技術があります。
そして、毎日牛の状態を見て、餌を変えていきます。
そうした手間暇があって、和牛ができます。
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