肥育中期の牛 美味しい霜降り和牛肉をつくるプロの技
肥育前期で、筋肉、骨、胃を作り、ビタミンをためてゆきます。
そして、肥育の中期へと入ってゆきます。
ここから、霜降りを入れる本格的な肥育が始まっていきます。
中期の牛の作り方 14カ月~18カ月
小屋の移動 美味しい霜降り和牛肉をつくるプロの技
肥育前期では、10~20頭ほどの子牛を小屋の中で群飼いにしておきます。
ただ、前期~中期の間でだんだんと、その頭数を減らしてゆきます。
理由としては、その小屋が狭くなるからです。
導入時に、子牛として、小屋へ入ってくるわですが、3カ月もすると、体が大きくなり、小屋の中が狭くなってきます。
そうすると、餌にありつけなくなり、十分に餌を食い込めない牛が出てきますし、ゆったり寝ることもできず、ストレスをためることになります。
ですので、小屋の様子をみて、狭くなってきたら、牛を別の小屋へ移し、全頭が餌をしっかり食べれるようにしてあげる必要があります。
また、狭くなってくると、牛どうしが、ぶつかりやすくなり、肉を傷つけてしまいます。
傷ができれば、化膿し、病気になる可能性がありますし、お肉のほうにも影響が出てきます。
できるだけ、ぶつからないように、つつかれないようにしていくことで、取れる肉量が増えます。
餌 美味しい霜降り和牛肉をつくるプロの技
ここから肥育が本格的行われていきます。
前期では、ビタミンの入った、前期飼料、粗飼料としても、ビタミンの入った、チモシーなどを与えていました。
しかし、ここから徐々にビタミンを切っていきます。
徐々に切ってゆく、ここが大切です。
牛の場合いきなり餌を変えてはいけません。
牛の故障の原因となります。そもそも、いきなり餌を変えると、牛は餌を食べてくれません。
もしその餌を食い込んだとしても、その餌が、後期の餌で、配合量が多い場合、体調を崩し、牛が壊れてしまいます。
現場には多くの種類の餌がありますが、細心の注意を払って餌を与えなくてはいけません。
ビタミンを切ってゆく 美味しい霜降り和牛肉をつくるプロの技
粗飼料
増体を確保しながら、脂肪交雑を高めるために、十分なエネルギーを給与し、ビタミンAをコントロールする大切な時期です。
粗飼料は、チモシーではなく、βカロテンの少ないイタリアンライグラスストロー、または、わらを15カ月零までは2Kg、そのあとは1.2~1.5Kg給与する。
これも、いきなりチモシーから切り替えるのではなく、チモシーにイタリアンライグラスストローを混ぜ、徐々にその割合増やして行きいます。
前期飼料はやめるか、14カ月齢まで0.5Kg給与します。
後期飼料
この時期から、徐々に後期飼料を入れていきます。
14カ月齢で4~5Kg、16カ月齢で6~7Kg、18カ月齢で8Kg程度与える。
後期飼料を与える際には、ルーメンアシドーシスにならないように注意して給与します。
まとめ
この中期がなかなか難しい時期です。
後期飼料を入れてゆくのですが、前期とは全く違った餌です。
そのため、ここの切り替えをうまくしないと、体調を崩したり、下痢をしたりするため、増体、霜降りを入れる段階へうまく以降できなくなってきます。
ここでは、配合飼料のキロ数を書いていますが、実際現場ではもう少し配合を変えてゆきます。
発酵飼料、濡れ餌と呼ばれる餌も混ぜ、その配合を変えて与えてゆきます。
どのようにしたら、肉が美味しくなるのか。どうやったら、最高の霜降りが入るのか。
常に最高を求めて、プロの技が光ります。
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