肥育後期の牛 美味しい霜降り和牛肉を作るプロの技
肥育中期では、前期飼料を抜き、徐々にビタミンを抜いて行きました。
前期でビタミンを入れ、中期でビタミンを抜き始めます。
そして、中期では、霜降りが入る前段階まで、脂肪を入れ、増体させておきます。
そして、いよいよ、後期。肥育屋の戦いが始まります。
後期肥育牛の作り方 18~24カ月
この時期から本格的な霜降り肉を作るため、サシを入れていきます。
では、どうやって霜降りを入れてゆくのか、というと、食べさせる、です。
この時期はとても食べる時期ですので、食べさせられるだけ、食べさせていきます。
食べさせるといいますが、これが難しいのです。
餌 美味しい霜降り和牛肉を作るプロの技
餌を大量に食べさせ、サシを入れてゆくのですが、問題が出てきます。
ビタミンです。
この時期はビタミンの入っていない後期飼料をメインに与えていきます。
持っているビタミンというと、前期にまでに入れたビタミンのみ。
ですので、よく牛の様子を見て、餌を与えていかなくてはいけません。
粗飼料 美味しい霜降り和牛肉を作るプロの技
中期まではチモシーを与えている時期がりましたが、ここでは、イタリアンライグラスストロー、
わらのみの給与となります。
ビタミンを切って、血液中のビタミンの量を保っていきます。
ビタミンが入ることにより、入るサシの量が少なくなるという研究結果があるためです。
配合飼料 美味しい霜降り和牛肉を作るプロの技
後期飼料を食べさせていきます。
肥育中期では、発酵飼料と、後期飼料を配合し食べさせていました。
後期では、後期飼料の割合を徐々に増やし、ある程度増やしたら、一定量を毎日与えていきます。
ここも同じく、餌を急に切り替えてはいけません。
故障の原因になります。
牛の故障 美味しい霜降り和牛肉を作るプロの技
この時期は牛の故障が多くみられます。
本来必要なビタミンをきっているわけですから当然です。
何も考えずに餌を与え続けるとビタミン欠乏へ陥ります。
ちゃんと、牛の様子を見て、餌を与える必要があります。
餌はちゃんと食べているのか、目は弱くないか、毛のつやはどうか、便は正常か、などあらゆる点をみて、配合を微調整し与えていきます。
もしビタミン欠乏になった場合、様子を見て補給方法を考えビタミンを与えます。
まとめ
この時期で霜降りがどの程度入るかが決まるとても大切な時期です。
ただ、中期で霜降りが入る前段階まで、脂肪をいていおくことが大切です。
それにより、最も霜降りが入る、この時期に集中して霜降りを入れていくことができます。
何回か期間と書いていますが、それぞれ牛にはその期間に、どこが発達するのかというのが決まっています。
肉が発達する期間は肉を、脂肪細胞が活発になるのはこの期間というものがあり、
最高のタイミングで、最良の餌を与えていかなくてはいけません。
期間という考えはとても重要です。
ただ飼っていただけでは、牛は作れませんし、おいしい霜降り牛肉にはなりません。
これでもか、これでもか、探求し、長年の知恵と、技術で肉を作ってゆくのです。
あの、濃厚な肉、かみしめた時にほとばしる甘い脂。
最高の食事を楽しんでいただきたい。その思いでプロは作っています。
プロが作る牛肉の芸術品、和牛をぜひお楽しみください。
コメントを残す