ビタミンAと肉質の関連性 美味しい霜降り和牛肉を作るプロの技
ビタミンAは肉質にどのような影響を与えるのでしょうか?
何度か前述していますが、ビタミンAは霜降りを作る際、あまり与えない方が良いことが知られています。
ただ、牛には、それぞれ発達する期間というものがあります。
ビタミンAを与える期間、与えてはいけない期間というのが分かれています。
期間 美味しい霜降り和牛肉を作るプロの技
予備期 10カ月齢~14カ月齢
ストレス防止及び筋肉系の発達による増体を促進するため必要量のビタミンを給与します。導入時の美が民材投与とヘイキューブの多給から、血中レベルは導入後3カ月目がピークとなり、120~140IUに上昇します。
中期 14カ月齢~17カ月齢
ビタミンAは脂肪前駆細胞の脂肪細胞への分化を抑制することが知られています。
このため、脂肪交雑部分の脂肪前駆細胞が脂肪細胞に分化する、15カ月齢~23カ月齢の時点では、ビタミンAの濃度は低い方が望ましいと考えられています。
後期 24カ月齢~
後期に入ると、脂肪子雑部分の脂肪細胞の分化はその大半が終了しており、分化した脂肪細胞に脂肪が蓄積することで、一つ一つの脂肪細胞が肥大し、脂肪交雑が大きくなります。
この時期には、脂肪細胞の細胞膜の安定性を増し、脂肪の貯蔵を有利にしておく必要があります。
細胞膜の破壊は、膜を構成する脂質が参加するためであり、この細胞膜の参加障害を防ぐには、酸化防止剤として、ビタミンEやA、βーカロテン、尿酸、セレンなどが重要な働きをします。
また、肥育後期に多発する代謝性疾患の予防のためにも、後期には必要最低限のビタミンAを給与することが望ましいとされています。
ビタミンAの給与 美味しい霜降り和牛肉を作るプロの技
ビタミンの欠乏症状が現れた場合、ビタミンの給与を行うのですが、いきなり多くのビタミンを入れるのではなく、様子を見ながら入れていきます。
軽度
中期、後期でビタミン欠乏の初期症状、が見られた場合、チモシーを粗飼料に混ぜ与え様子を見ます。
一週間程度与えて回復しないようであれば、プラフィットミックスなどのようなもう少しビタミン含有量が多いビタミン剤を与えます。
重度
獣医を呼び対応してもらいます。
ビタミン含有量が多い、ビタミン剤を口から入れ、飲ませてあげます。
また、肝臓が疲弊してる可能性もあるので、ウルソを与え、肝機能の改善をします。
使用に関しては、それぞれの使用法に従います。
まとめ
ビタミンAについてはこれで終了です。
初期の段階でビタミンAを与え、後期でビタミンを切り、仕上げでビタミンを与える。
これが良い霜降り牛を作る流れです。
牛は飼うのではない、作るのです。
毎日の最良の環境、エサが、最高の霜降り和牛肉を生みます。
プロの技が光る最高の牛肉、和牛をぜひご賞味ください。
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