反芻動物の胃の構造 美味しい霜降り和牛肉を作る技
牛は反芻動物です。ですので、一度食べ、胃に送った草餌をもう一度口へ戻し、かみ返しを行っていきます。
これは、繊維質はとても固く、一回では消化できないためです。
人間がわらを食べるとわかりますが、消化されずそのまま便として排出されるはずです。
牛は人とは異なったエネルギーの取り方をしてるです。
エネルギーのとりかた 美味しい霜降り和牛肉を作る技
さて、エネルギーという言葉が何回かできてきていますが、これを牛はどのように分解し作り出しているのでしょか。
実は、牛は消化液のみでこの繊維質を分解しているわけではありません。
第一胃ルーメンに飼っている?、住んでいるどちらかわかりませんが、その微生物の力を借りて、繊維質の分解、消化を行っています。
使用するエネルギー 美味しい霜降り和牛肉を作る技
ルーメン内にいるセルロースを分解する酵素(セルラーゼ)を持つ微生物の力をかり、牛が食べた草やデンプンを分解して酢酸、プロビオン酸や酪酸を主体とする揮発性脂肪酸(VFA)を作ります。
VFAはルーメン壁から吸収されてエネルギーとして使用されます。牛のエネルギー要求量の60%~70%をルーメンが産生するVFAがまかなっているといわれています。
アシドーシスとは 美味しい霜降り和牛肉を作る技
アシドーシスとは、ルーメン内にいる微生物が少なくなる症状のことを言います。
なぜ、微生物が少なくなるのかというと、ルーメン内のpHが酸性に傾き、微生物が住めない状態になってしまうからです。
ルーメン内の恒常性を保つ 美味しい霜降り和牛肉を作る技
ルーメン内のpHが酸性に傾き、微生物が住めない状態になると書きました。
通常ルーメン内は中性に保たれ、微生物が住みやすい環境にあります。
しかし、濃厚飼料を食い込むことで、ルーメン内が酸性へとかたむいてしまうのです。
しかし、ルーメンの内壁を粗飼料によって刺激することにより、第二の胃から、アルカリ性の液が流入し、ルーメン内の恒常性を保ってくれます。
つまりそれが行われないと、アシドーシスが起きるわけです。
アシドーシスの予防 美味しい霜降り和牛肉を作る技
アシドーシスの原因は、ルーメン内の微生物が少なくなること。そして、微生物が減る原因は、ルーメン内が酸性になるからでした。
さらに、ルーメン内が酸性になるのかといえば、ルーメン壁が十分に粗飼料により刺激されず、第二胃からアルカリ性の胃液が流入しないためです。
そうなると、原因は粗飼料が十分に与えられないため、第一胃が刺激されないことが、ルーメンアシドーシスの原因ということになります。
まとめ
ルーメンアシドーシスについてかきました。
少し牛や肉に詳しい人ですと、ルーメンという言葉を知っている人は多いかもしれません。
でもルーメンがこれほど大切な役割をしているというこは知らなかったのではないでしょうか。
コリコリして美味しいミノですが、今度食べるときは、重要な部位を食べているのだと思ってたべてみてください。
プロが匠の技でつくる和牛。
その確かな伝統の味をお楽しみください。
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