炭火で焼く美味しい焼肉
焼肉屋さんに行くと、炭火で提供してくれるところがあります。
こういうところを見ると、こだわっているなぁと感心してしまいます(使用している炭もちゃんと見てですが)。
なぜかといえば、どう考えても手間がかかりますし、煙も出ますし、何かと大変なのが炭で作る焼肉です。
でも、炭で焼いた焼肉って美味しいのですよね。
それにはわけがあるのですが、後述します。
炭火とガスとの違い
焼肉といえば炭!、炭が最高!。そんなことを言うと、ガスのほうがよい!という方が、いやいや、炭なんて!と反論してきそうです。
実際、この、炭がいいのか、ガスがいいのか、これは永遠の論争ですよね。
ただ結論は、どちらにも良い面があり、そして、そのシチュエーションに合わせて選択する、というのが答えです。
では、実際どのような違いがあるのか見ていきたいと思います。
炭火焼きで食べる美味しい焼き肉の秘密
焼肉を炭火で調理すると美味しいといわれるのは、遠赤外線によって、焼肉が美味しく仕上がるからだといわれています。
つまり、ガスで焼くのと、炭火で焼くのとでは、根本的に熱の伝え方が違うということです。
熱とは何なのか?
まず熱とは何なのか?なのですが、これは振動です。物質の振動と、分子の持つエネルギーが熱なのです。
では、ガスはどのようにお肉に熱を伝えている原理を見てみます。
まずガスコンロからガスが発生し、強い振動により(すでに着火しているので)、ガスの結合がほどけ、酸素と結合しエネルギーを発し、周りの空気を振動させます。
この温度(つまりは振動)の違いにより、青だったり、赤だったり火の色が違うのですが、ようは、周りの空気を振動させてゆき、その振動をお肉に伝え、肉の表面を振動させる、というのがガスの焼き方です。
では、炭火で焼くとどのように熱は伝わるのでしょうか?
炭火はガスとは全く違います。遠赤外線は皆さんもご存じのように、電磁波です。この電磁波は、空気があろうが、なかろうが、関係なくものを振動させます。
光を見てもらうとわかりますが、宇宙に空気が存在しないのにも関わらず、ちゃんと地球まで熱を伝えています。もし電磁波が空気(触媒)がないと熱を伝えられないのであれば、私たちに熱は伝えられていないはずです。
このように電磁波は、空気などの触媒を介さず、直接振動(熱する)ことができるのです。
皆さん聞いたことがあるかもしれませんが、これを「輻射熱」といいます。
熱の種類
熱の伝わり方には、対流熱、伝導熱、輻射熱の3種類があります。
1.対流熱
気体や液体が移動することによる伝導熱で、温かい空気が上に上る現象がこれに当たります。
2.伝導熱
直接接することによる伝導熱で、熱したフライパンの上で焼くのがこれに当たります。
3.輻射熱
電磁波による熱伝導で、空気中、真空中でも伝わりますが、遮蔽物で途切れます。
上記で書きましたね。
遠赤外線が内部から!は間違い
よく炭で言われるのは、遠赤外線により内部から温められ、美味しく仕上がります、といったフレーズ。
しかしこれは間違いです。遠赤外線は加熱物に当たると表面を振動させ、内部までは伝わらないのです。
しかし、その波長が物質の内部まで振動させるのにちょうど良い振動であるため、表面の熱がじっくり内部に伝わる、というのが正しい表現です。
遠赤外線の輻射熱によりおいしく!
表面はカリっと
遠赤外線は、表面のみに集中して熱を加えられるとも言えますので、食材の表面を効率よく加熱できます。
そのため、良い焦げ目をつけることができます。
食材の表面温度が早く高くなり、表面の水分が蒸発するので、焦げ目が早く付き、表面がカラッと乾燥した仕上がりになります。
これがカリっとした食感を生んでくれるのですね!
遠赤外線で中はジューシーに
表面を高加熱でカリっと仕上げ、その表面の熱は、遠赤外線の程よい振動により内部に伝わり、じっくりと内部まで火を通してくれます。
そのため中はしっとり、ジューシーに焼きあがるのです。
炭火焼きでうまみがUP
お肉を加熱することにより、グルタミン酸が上昇します。
これはどの加熱でもそうなのですが、その増え方に違いがあります。
生肉を1とすると、
ガス火で焼いた焼肉からは、1.8倍
炭火で焼いた焼肉からは、2.2倍
のグルタミン酸が検出されたという結果もあります。
燻製香が食欲をそそる
炭火焼きいといえばやはり煙です。
お肉を焼き、脂が滴り落ち、煙が発生する。その煙によりいぶされ、その香りがお肉に付着します。
個の香ばしさがたまらなく食欲をそそるあの香りになるわけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
炭火で肉を焼く魅力が伝わりましたでしょうか?
表面ではじける透明な脂。その脂が赤く焼けた炭の上に落ち、立ち上る香り豊かな煙!
もうその香りだけで白いご飯が食べれそうです。
最高の肉を、最高の炭で最高の焼き加減で!
その味に酔いしれてください。
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